■『踊る大捜査線3 ヤツらを解放せよ!』(http://www.odoru.com/
以下、公開したばかりなので一応文字色を反転して思いつくままに。
『踊る』の映画って、「ファー!]とか「勝っちゃいました…」の冒頭のギャグパートの後で入るOPのカッコ良さが魅力だと思っていたのです。笑った後でカッコいい映像見るから、ツッパリが捨て犬にやさしくしているのを目撃的な意外性にキュンと来た状態で好意的に作品に入っていけていたのです(特に『2』の各キャラの特徴的なワンアクション⇒特徴的なパーツにズーム+名前っていうクレジットはガイ・リッチーっぽい…イメージ的には『デュラララ』のOPっぽくて非常にカッコ良かったです)が、今回はオチの見えてる弱いギャグパート⇒OPのクレジットをバックに緩慢な引っ越し風景が延々流れるという締まらない構成…確かに本編で引っ越し場面を点描するのはそれこそ退屈だからだとか、OPクレジットよりも青島コートを着るシーンを最初のカッコいいシーンとして演出したいとかいろいろ事情はあったんでしょうが、いかんせんカッコいいシーンが来たころにはヌルいギャグに疲れ切った後だったりするのは非常に損。2時間半の映画の中で和久さんの甥っこと真下くんが湾岸署を訪ねてくるんだけど、登場の仕方、吉本新喜劇かよと思った。あと、ギャグも近い構図でワンアクション⇒遠くから捉えてポツーンみたいな演出が多くて、ここまで引き出し少なかったっけと困惑した。いろいろ驚いたっすよ。岡村の噛み付き魔は一体懲役何年食らってんだ!とか、8時間もあれだけキャリアの高学歴連中も揃っていて、いっそ電源落としたらいいんじゃね?というアイディアが思いつかないのかよ!とか、てゆーか電源落としたら要塞機能が麻痺するって、それ全然要塞じゃないだろ!とかもう本当に諸々言いたい点はあるのですが、犯人グループの要求に応じてキョンキョンの日向真奈美を釈放することに室井さんは首に縦を振らないのに、小栗くんが演じる鳥飼に「釈放した後、(凶器を持ってたとか言いがかりをつけて)射殺すればいい」的な説得をされて釈放に踏み切ったのが、超が付くほど疑問(もちろん、その決断下した後も悩んで、最後は青島に頼るわけだけど…)。鳥飼、あのシーンで全く説得力あること言ってないだろ…。まぁ、強引にでもあそこで室井さんが決断しないとドラマは進まないんだけど。文句ばっかり言っててもしょうがないので、鳥飼が犯人グループの一員なんじゃないかと思わせる演出はハラハラして良かった。丁寧にわざとにも見える経緯で負傷させたり、上記の不穏当な発言(そもそも真奈美の目的は死ぬことなので、鳥飼の射殺命令は真奈美にとって好都合)、しかも顔に白い包帯を巻いている(真奈美の信者は白い格好をしている)という視覚的なサービス付きでミスリードしたのは偉い。でも本当に鳥飼が犯人だったら拳銃紛失どころのスキャンダルじゃないので、たぶん無いだろうとは思っていたけど、最後までこれはハラハラできた。青島が壁を壊そうとするところとかはやっぱりグッと来た。こういうシーンは上手いよなぁ。あと、池上長官の「勉強になるだろう。ここに正義はない」はカッコいい。偉い人たちにはそのステージに行ってみないと判らない物差しがあるんだろうなぁ。まぁ、なんだかんだで面白く観ていますので続編お待ちしております。